朝日新聞(ウェブ版)2022年2月9日の記事。


コロナで症状悪化しても119番控えて 大阪市、高齢者施設に通知

 大阪市消防局が、高齢者施設で療養する新型コロナ患者の症状が悪化した場合、すぐに119番通報するのは控えるよう、市内の施設に通知していたことがわかった。市消防局によると、こうした通知は初めて。

えっ…。

救急搬送が困難になっているとして、医師や看護師が経過観察をしている高齢者施設で療養中の新型コロナ患者の症状が悪化した場合は、すぐに119番せずにまずは大阪市保健所や所在地の区の保健福祉センターに相談してほしいという要請。

大阪市消防局によると、119番通報を受けても保健所と入院先調整をする必要があり、そのことによって救急車が出発できない「搬送困難事案」が相次いでいる。そのことを少しでも減らす対策として、協力を求めたいとする要請をおこなったとしている。

救急車の出動が逼迫状態になっているのを減らし、できるだけ多くの人を救いたいという苦肉の策ではある。

しかし実際に危険な状態になっている患者の関係者という立場からだと、気が気ではならないだろう。また専門病院と異なり、高齢者施設だと症状が悪化した場合に対応できる設備が不十分だという可能性もあり、その意味でもまずいことになっている。

保健所の体制も増えているわけではない。保健所の担当者の人員・電話回線も著しく不足しているという状況だということ。保健所とのやりとりの担当が救急隊から施設管理者に変わるというだけで、つながらない…受け入れ先が見つからないなどの困難が続くことが予想され、全体としてはかなりやばい状態であることには変わりがない。

消防局や保健所の現場はできるだけの対応をしてくれている、限界に近い状態で活動していることには感謝しかない。とはいえども、医療崩壊状態になってしまっている。

感染防止対策には無策・パフォーマンスばかりなど、この間の行政トップが無策だったことが、現場にしわ寄せを起こし、また命を危険に晒している。